「人の噂も七十五日」意味と読み方
【表記】人の噂も七十五日
【読み】ひとのうわさもしちじゅうごにち
【ローマ字】HITONOUWASAMOSHICHIJUUGONICHI
世間の噂は一時のことで、しばらくすれば忘れられるものであるという意味。
説明
どんな噂が立ってもそれは一時的なものに過ぎず、75日も経てば消えていくものだから、放っておけば良いという意味が込められている。なぜ「七十五日」なのかの理由には所説あるが、もっとも一般的で有力な説として以下の説が挙げられる。古来の旧暦では季節のズレが生じるため、春夏秋冬の季節の変わり目(立春,立夏,立秋,立冬の前の期間)に土用という期間が約18日間、1年に4回あった。この土用の期間を除いた四季の一つあたりの日数が70~75日であり、「季節の変わり目のころには忘れ去るだろう。」という意味だと言われている。「土用」とは中国の陰陽五行のことで、木・火・金・水・土の5つの元素が万物を構成しているというもの。これに四季の春(木)・夏(火)・秋(金)・冬(水)としたが、「土」が余る。この「土」の期間で四季の変わり目を調整したというわけである。ちなみに「土用丑の日」の「丑」は、干支の牛のことで、一週間に月火水木金土があるように、それぞれの日を干支の十二周期に当てはめていた。(13日目にまた丑の日が来る。)月も1年で12ヶ月であり、それぞれ干支の月というものがある。それで夏の土用の月は「未の月」であり、二十四節気で夏の暑さが盛りを迎えてからわずかに秋の気配が立ちはじめていく節気にあたる「大暑」と「立秋」の頃になる。この辛い時期を乗り切るために、他の干支の力を借りて中和する「相克」という考えがあった。(つまり干支を「未」から時計の順番に並べていくと、対になる相克が「丑」というわけである。)それで「なぜウナギなのか?」というと、もちろん頭に「う」がついているということで、梅干しでもウドンでも「う」がついていればなんでも良かったのだが、じつは奈良時代のころから精がつく食べ物として、ウナギが当たり前のように食されていたということがある。例えば万葉集に「石麻呂に我れ物申す夏痩せによしといふものぞ鰻捕り食せ(万葉集16巻3853番歌より。)」という歌がある。現代訳にすると、「石麻呂に俺は言った。夏痩せに良いと言われるウナギを獲って食え!と。」という意味で、こうしたことからも、古来日本は夏にウナギが良いというのは、なんとなく江戸の人たちの頭の片隅にもあったというわけである。平賀源内が「本日、土用丑の日」と書いてウナギ屋に張り紙したのも、それをみた人が「季節の変わり目、今こそ力をつけよ。」とすぐに解釈できたからなのだろう。
詳細
注釈、由来
【注釈】「七十五日」には、色んな説がある。その中でも季節の変わり目を指す。
【出典元】-
【語源・由来】噂を立てられても、人は飽きっぽいものなので、聞き流しているうちに別の噂が流れ始めるということが由来。
「人の噂も七十五日」の言い換え、反対、似た言葉
【同義語】
-
【類義語】
人の上も百日/世の取り沙汰も七十五日/人の上は百日/世の取沙汰も七十五日/善きも悪しきも七十五日/人の口に戸は立てられぬ
【対義語】
―
「七十五日」を四十五日、四十九日、七十九日などとするのは誤り。
「人の噂も七十五日」の例文
【日本語】「気にすることはない。どうせすぐに忘れて、他のターゲットを見つけては同じことをする連中なのだから。人の噂も七十五日というだろう」
【英語】
It will be a nine day’s wonder./A wonder lasts but nine days.
コメント