「渇して井を穿つ」意味と読み方
【表記】渇して井を穿つ
【読み】かっしていをうがつ
【ローマ字】KASSHITEIWOUGATSU
【意味】
準備もせずに、いきなり欲しいと思っても手遅れという意味。
準備もせずに、いきなり欲しいと思っても手遅れという意味。
説明
喉が渇いてから井戸を掘っても手遅れだということから、前もって準備をしなくて、必要な時に必要なものを準備するのでは到底間に合わないという意味。中国の王朝・前漢の学者および政治家として知られていた劉向(りゅうきょう)が編纂した歴史故事集の「奉仕」という編に収められている。そこには「飢えて黍稷を求め 渇して井を穿つ 闘いて錘を鋳るがごとし」とある。現代語訳に直すと、「飢えていると時にキビ(穀物)を求め、喉が渇いてる時に井戸を掘ることは、戦っている中で錘(武器)を作ることと同じ」となる。これが転じて、現在使用されている意味になったと言われている。
詳細
注釈、由来
【注釈】「井」は「せい」とも読む。「穿つ」は穴を掘るという意味。
【出典元】「素問」
【語源・由来】『素問』には、「乱已に成りて而る後に之を治む。讐タトへば猶ほ渇して井を穿ち、闘ひて錐を鋳るが如し」とある。
「渇して井を穿つ」の言い換え、反対、似た言葉
【同義語】
渇に臨みて井を穿つ(かつにのぞみていをうがつ)
【類義語】
飢えに臨みて苗を植う/戦を見て矢を矧ぐ/はまった後で井戸の蓋をする /敵を見て矢を矧ぐ/難に臨んで兵を鋳る/喧嘩過ぎての棒乳切り/盗人を見て縄を綯う/溺るるに及んで船を呼ぶ/泥棒を捕らえて縄を綯う/諍い果てての乳切り木
【対義語】
遠慮なければ近憂あり/暮れぬ先の提灯/転ばぬ先の杖/備えあれば憂いなし/濡れぬ先の傘
【注意】
ひどく欲しがる(喉から手が出るほど)という意味で使うのは誤り。誤用例 「あと十万円さえあれば乗り切れると思うと、渇して井を穿つ思いだ」
ひどく欲しがる(喉から手が出るほど)という意味で使うのは誤り。誤用例 「あと十万円さえあれば乗り切れると思うと、渇して井を穿つ思いだ」
「渇して井を穿つ」の例文
【日本語】「明日の試験に備えて徹夜をしても、それまで怠けていたのなら、渇して井を穿つというものだろう」
【英語】
It is too late.・It is too late to shut the stable-door after the horse has bolted.
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