ことわざ/鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)とは?

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「鼎の軽重を問う」意味と読み方

【表記】鼎の軽重を問う
【読み】かなえのけいちょうをとう
【ローマ字】KANAENOKEICHOUWOTOU

【意味】
権威ある人の実力や能力を疑うたとえ。
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説明

権力者・権威者の実力や能力を疑う事。また、代わりに権力や地位を奪おうとする事。「鼎」は天下の象徴とされる器のこと。古代中国の王朝「周」の定王の時代、周はどこぞの国に滅ぼされてもおかしくないぐらいに衰退していた。ある時、楚の荘王が、「周に歯向かう異民族を討伐してみせようぞ。」といい、大軍を率いて異民族たちを滅ぼした。その足で周の国境あたりまで北上し、大軍を並べて占拠してしまった。仕方なく定王は大夫(小国ながら領土を持つ貴族。その上を卿という。)の王孫満を派遣し、討伐に赴いた荘王を厚く労った。そこで荘王は「やあ、予てから問たいのだが、天下の象徴と言われる九鼎とはいかなるものか?重さや大きさについてお尋ねしたい。」と無礼にも、自分が手に入れること前提で、定王の宝である「九鼎」について質問をしたという。王孫満は「真の覇者ならば、九鼎があろうと無かろうと関係ございません。そもそも九鼎とは、当時中国全土の民が泰平の世を喜び、当時の大王である禹王に献上した品物であり、禹王の人徳の高さがそのまま鼎として残ったもの。周は37代に渡って、鼎を守っているにすぎませぬ。もし、鼎を手にするおつもりあらば、諸国の王たちが我が物と、武器を手に奪いにくるでしょう。そのようなことを口にしてはなりません。」と答えた。荘王は諭され、諦めて国へ帰ったという。『春秋左氏伝・宣公三年』より。

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詳細

注釈、由来

【注釈】「鼎(かなえ)」とは、古代中国で煮炊きに使った三本足の青銅器のこと。中国の古代王朝である「夏」の禹王は、九つの州に命じて鼎を造らせ献上させた。この九個の鼎を「九鼎(きゅうてい)」とよび、王室の宝とした。このことから鼎は、帝王の位や権威の象徴とされるようになったという。

【出典元】「春秋左氏伝」
【語源・由来】中国の哲学者・孔子による編纂と伝えられる歴史書『春秋』の、代表的な注釈書の1つ『春秋左氏伝・宣公三年』にある、「天下を取りたい楚の荘王が、定王をあなどって無礼にも、周王室の宝物である九鼎の軽重を問うた。」という記述から。

「鼎の軽重を問う」の言い換え、反対、似た言葉

【同義語】

【類義語】

【対義語】

【注意】
「要(かなめ)の軽重を問う」とするのは誤り。権威のない者に使うのは誤り。誤用例 「浮気がばれたら、妻に鼎の軽重を問われることとなるだろう」
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「鼎の軽重を問う」の例文

【日本語】「あの政党が国民から鼎の軽重を問われるのも、時間の問題だ」
【英語】
to call one’s ability into questionto weigh one’s ability.

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